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あと何日生きられる?
って、私のことじゃありません。周囲の人たちのことでもないです。
近所のペットショップにいる猫の話。

たまに行くんですよ。
郊外型の広いモールの一角にあるタイプですから、店舗としては大きいです。子犬や子猫がそれぞれ数匹、ガラス越しに見られるよう陳列してあります。もっと劣悪な環境もあることを考えたら、まー、清潔そうだし、時々は散歩させたり遊ばせているみたいだし、まだいいのかなぁと思いますが、そこにいる子猫たちが、少しずつ大きくなってくるんですよ。
生後二ヶ月ぐらいで売り出すので、そのころはほんとに可愛い手のりサイズ。おかあさんや兄弟猫から引き離されたばかりで買い手がつくのが一番いいんでしょうけど、そんな幸運な子猫ばかりじゃなくて。
行くたびに、いやぁー子猫って可愛いなぁ、マジ、地上でいちばん可愛い生き物やん、と癒された気分になってましたが、いつまでも同じ子猫たちがそこにいることが、だんだん可哀想に思えてきました。純血のロシアンブルーやスコティッシュフォールドはそれなりに高い。一匹10万円以上するので、さすがにホイホイと売れるものではないみたい。売れなくて閉じ込められていても、猫たちはだんだん成長していくんです。二ヶ月の子猫ともう三ヶ月になろうかという子猫では、あきらかに大きさが違う。

このまえ行ったら、新しく生後二ヶ月の子猫が入ってきて、三ヶ月になる古参組のうち二匹は快適そうなガラス部屋から出されて、通路ぎわの網のケージに入れられ、値札も赤で書き変えられてました。子供たちが寄ってきて、小さな指を網のすきまから潜らせて猫をつついてみたり、きゃあきゃあ騒いでいます。んー、猫にとってはけっこうストレスになると思いますが、やっぱりガラス越しに見るのと、にゃあにゃあ声まで聞こえて、ちょっとでも触れられるのとでは客に対するインパクトが違いますよね。値段も下がってるし、ショップにしてみれば、これで売れたらいいなーってことでしょう。
けど、なんか扱いの差が哀れになって、一緒に見ていた夫を肘でつつき、
「なぁ、こういう陳列のやり方ってちょっとひどいと思わん?」
と言うと、
「なんでやねん、子供ら大喜びやないか」
「だけど猫にしてみればイヤやん」
「まあ商売やからな、ああやって子供らがたかって、親に『買ってー』ってねだるように仕向けてんねんやろ」
「そうやろうけど、だからって」
「おまえー、買ってもらわれへんほうがよっぽど悲惨やないか。ずっと買い手つかんと大きなったらそのうち殺処分ちゃうの?あいつらは今、命がけで客に愛想ふらんとあかん運命なんや」
「えー、高い純血種やのに簡単に殺す?また売り手に戻して繁殖用に育てたりするんちゃうの」
「さあなぁ、そんな猫ばっかでもないやろ。増えたらそれだけ値崩れするし」

ショップには木製ボードがあって、そこには「卒業」したペットたちの写真が貼ってあります。売れて飼い主がつくと、ここから「卒業」ってことみたい。どれもみんな、可愛いさかりの子犬や子猫。こういうショップで五、六ヶ月すぎた犬猫をおいているのを見たことないし、でも、みんながみんな売れるとも思えないし、どうしても「売れ残って」卒業できない犬猫はどうなるんでしょうね。どんな商売でも、売れ残りがでるのは自然。ケーキ屋もすし屋も、生クリームや刺身が新鮮なうちに売れない商品は、もったいなくても廃棄するでしょう。生きてるペットは・・・いろいろな運命があると思いますが、そもそもペットとして誕生したんだから、ペットとしてちゃんと世話してくれる飼い主に買われるのが一番幸運なんじゃないでしょうか。成長するにつれだんだん値段を下げて、それでも売れ残ったと判断されたら、すぐに殺されなくても、あまりいい境遇が待っているとは考えにくいです。

「けどさー、子供がいくら『買って』ってねだっても、まだ値段も高いし、第一オモチャじゃないんやから世話もせんとあかんし、そう簡単に親が言うこときいてくれるとは思わんけどな」
「まあなー。今は何もわからんと檻んなかで遊んでるけど、あいつらあと何日の命かなぁー。この二週間ぐらいが勝負ちゃうか」

うーん。
三ヶ月すぎて四ヶ月にさしかかると、子猫は子猫だけど、赤ちゃんぽいころころした可愛さがだいぶ抜けて、人間で言うと少年少女っぽい可愛さになります。好みや考え方の問題もあるけれど、私なら、二ヶ月も不自然なガラス室で育った子猫に大金出すのはちょっと・・・と思いますね、どうしても。いや、誰かに買ってもらえたらいいと思ってますけど。できるだけ早く。
誰かが早く買ってくれたらいいのにって思いながら見ている人もたくさんいるんでしょう。あのガラスの前には。まだ子猫たちが新入りの赤ちゃんばかりのときは「癒し空間」でしたが、同じ猫たちが大きくなっていくのを見るのはハラハラドキドキ。

いつまでいるの?
もうここでひと月以上たつよ。
突然いなくなって、ボードに「卒業」の写真もなかったら、どう考えたらいいの?
店員さんには・・・訊けない。

| Fragments | 11:19 | comments(2) | trackbacks(0)
コメント
人間のおごりとか考え出したら、ペット問題どころか肉食べないベジタリアンなど宗教みたいな方向へ行ってしまいがちなのでややこしいですが、可愛い姿をしている生きものが非道な扱いを受けているのを見れば、単純に哀れだと思いますよね。

法律上、ペットはモノで、だから商品・・・
道端に捨てられたりする雑種の猫が過酷な世界に生きているのは容易に想像つきますが、それよりもっと丁寧に扱われてるはずの何十万もするような純血種だって、幸せになれるとは限らないのが皮肉です。
動物愛護団体の世界は、いろいろ調べてみると実に複雑、魑魅魍魎で、私個人はあまり関わりたくないです、正直。何がいいのか、はっきりわからないですもん。

人間だって同じじゃないのって思ったりもしますよ、最近。
医学の発展で、妊娠したら出生前診断で赤ちゃんの異常がわかるようになったけど、知ってしまったそのあとどうするんでしょうね、すごい葛藤ですよね。赤ちゃんポストの存在とか、子供や高齢者、病人への虐待事件、どれもこれも、「命ってなに?」と考えさせられます。
| marineko | 2014/04/26 1:10 PM |
 動物愛護の運動のひとつに「ペットショップを無くそう」というものがありますね。
 私は、動物愛護に関してはさほど知識は無いのですが、mixiでマイミクしている方でそういった活動をされている方が居まして、時々、日記に記事を書かれたりリンクを惹かれたりしています。
 まりねこさんが書かれているような売れ残った子たちの殺処分問題や、ブリーダーによる無理な繁殖によって体がぼろぼろになった母親など、いくつか動画を見たことがありますが、ひどいものです。

 あと、産まれた時に障害がある子、さほど重い障害ではなくてもちょっと見た目がという程度で、やはり殺処分されてしまうとか。

 これが人間だったら、と考えると、すさまじい人権問題になりますよね?
 動物だったら、【命】を【商品】として扱って構わないのかなあ、これって人間のおごりそのものじゃないかなあ、なんて考えるときはあります。
| イカフライ | 2014/04/25 8:56 PM |
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